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カルシウム

元素記号:Ca 英語名:Calcium

原子番号

原子量

融点(℃)

沸点(℃)

宇宙存在度

20

40.078

838

1480

6.11x104

 カルシウムは地殻で5番目に多く存在する元素です。海中で二酸化炭素と化合して石灰岩{CaCO3(方解石とアラゴナイト)を主成分とする堆積岩}を形成し、大気中の二酸化炭素の量をコントロールしています。人体の重さの約2%はカルシウムで、骨を構成しているのみならず、筋肉を動かす際、脳から筋肉へ命令を伝える重要な働きをしています。また、石灰岩は建築に(コラム参照)、石膏は彫刻に利用されていました。カルシウムの語源はラテン語のcalx(石灰岩)に由来します。
 カルシウムは容易に空気と水と反応して化合物を生成しますが、ナトリウムやカリウムのように爆発的な反応ではありません。単独で分離に成功することに初めて成功したのは、イギリスの化学者デイビーです。1808年に、水銀を利用して、塩化カルシウムを電気の力で分解しました。

CaCO3

CaSO4・2H2O

方解石

石膏

コラム「石灰石の化学反応からみる、建材と鍾乳石生成の原理」

 石灰石とは鉱物資源としての石灰岩の呼び名ですが、一般方には石灰岩よりも親しみがある呼び名だと思います。理科の実験や社会の授業でも、石灰石の名で出てきます。ここでは、石灰石の呼び名を使用し、石灰石に関連した化学変化をいくつか紹介しましょう。

 石灰石(CaCO3)を焼いて得られるのが生石灰(CaO)です。

CaCO3 → CaO + CO2

水を加えると、消石灰{Ca(OH)2}になります。

CaO + H2O → Ca(OH)2

消石灰は大気中の二酸化炭素と反応して、石灰石(CaCO3)に戻ります。

Ca(OH)2 + CO2 → CaCO3 + H2O

この反応が建築に利用されていました。

 カルシウムを水と反応させると、水素ガスと水酸化カルシウム{Ca(OH)2}が生成します。

Ca + 2H2O → Ca(OH)2 + H2

水酸化カルシウムを水に溶かした物が石灰水です。石灰水が二酸化炭素を吸収すると、水に溶けない石灰石が生じます。

Ca(OH)2 + CO2 → CaCO3 + H2O

石灰水に息を吹き込むと白くなるのは、この反応が発生していたためです。この反応式を消石灰と二酸化炭素の反応式と見比べると、同じであることが分かります。つまり、石灰水がにごる原理と、生石灰が建築材料として固まる原理は、同じだということです。

 にごった石灰水に息(二酸化炭素)を送り続けると、にごりが消えて透明になります。水に溶ける炭酸水素カルシウムが生成するからです。

CaCO3 + H2O + CO2 → Ca(HCO3)2

炭酸水素カルシウムは水の中でのみ安定に存在するので、水が蒸発すると、逆の反応が発生し、石灰石が生じます。

Ca(HCO3)2 → CaCO3 + H2O + CO2

この2つの反応が鍾乳石の生成の原理です。二酸化炭素を含んだ水に石灰石が溶かされ、蒸発で水と二酸化炭素を失うことで、CaCO3が再び生成したのが鍾乳石です。

隣接元素
マグネシウム
カリウム カルシウム スカンジウム
ストロンチウム

  

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