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イットリウム

元素記号:Y 英語名:Yttrium

原子番号

原子量

融点(℃)

沸点(℃)

宇宙存在度

39

88.90585

1522

3338

4.64

 イットリウムは反応性に富んだ銀白色の金属です。地殻には平均で30ppm(0.003%)存在しています。ストックホルム近郊の村イッテルビーで採取された新種の鉱物{イッテライト:Y2FeBe2(SiO4)2O2}を、1794年にスウェーデンのガドリンが分析し、未知の元素(イットリウム)の酸化物(Y2O3)が発見されました。元素名は地名に由来します。現在、イッテライトはガトリン石と呼ばれています。
 主なイットリウムの鉱石はモナズ石(CePO4)とゼノタイム(YPO4)です。モナズ石には約3%のイットリウムが含まれています。イットリウムのオキシ硫化物(Y2O2S)は、ブラウン管で赤色を発している蛍光体の主成分です。アルミニウムとの酸化物(Y3Al5O12)は、強力なレーザー光線{YAG(イットリウム・アルミニウム・ガーネット)レーザー}の発生源に使用されています。イットリウム・バリウム・銅酸化物セラミックスは、約-170℃で超伝導を起こすことが知られています。

Y2FeBe2(SiO4)2O2

YPO4

ガドリン石

ゼノタイム

ガドリン石

ゼノタイム

愛媛県 北条市 高縄山

Ibitiara, Bahia, Brazil

コラム「イッテルビーに因んだ名前の元素」
 イッテルビーはストックホルムの東南東30Kmにある村です。村名に因んだ元素名は、イットリウム(Y)の他に、イッテルビウム(Yb)、テルビウム(Tb)、そして、エルビウム(Er)と、4つも存在します。ガドリンによって発見されたイットリウムに、1843年、スウェーデンのモサンダーがテルビウムとエルビウムが混ざっていることを発見しました。さらに、1878年、スイスのマリニャックは、エルビウムにイッテルビウムが含まれていることを発見しました。これらの4つの元素はイッテルビーで採取されたガドリン石から発見されたので、地名に因んだ名前が付けられました。

隣接元素
スカンジウム
ストロンチウム イットリウム ジルコニウム
ランタン

  

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